明治19年式戸籍以降
ここでは明治19年式戸籍以降の経緯について紹介いたします。
明治19年式戸籍(個人蔵)
 明治19年式戸籍はいままでの5年式の不備を一新し、初めて全国摘要のフォームに改めた画期的なものでした。また5年式に登載された事項の省略等も行われ、明治31年式戸籍へ移行するまで使用されました。例として
○前戸主という項目の新設
○職業の記入廃止(そのかわり、身分登記簿で復活)
○全員が生年月日の記入
○寺、氏神の記載廃止(実質18年までに順次廃止された)
○ト書き(実は○○二男というようなもの)
 ただし、附籍やすでに登記されている妾等は明治31年戸籍法が摘要されるまで残りました。
 また、この戸籍が作成された際、生年月日の調査や、身分登記事項が欠落している人物についての補完がされました。例では、戸主の父について、5年式戸籍では誰の子かの記載はありませんでしたが、19年式への編成の際、記入されております。
 ちなみに、この戸籍への移記については、各村によって対応がバラバラでした。明治19年11月より編成が行われたとされておりますが、地域によってはそのまま明治5年式を使用した地域もあり、除籍になった際、19年式に移行したというような場合もありました。戸籍を取得した際、「つじつま合わせのような戸籍」のように見える除籍謄本がありますが、実はその例に該当いたします。なかには80年廃棄を行わなかった行政でも、明治19年以降に除籍になったはずの除籍が取得できない地域もありますが、上記のような例によるものと思われます。
明治31年式戸籍(作成中)
身分登記簿(個人蔵)
名称未設定
 明治19年式戸籍から明治31年式戸籍へ移行された際、備え付けられた帳簿です。身分事項ごとに編成され、大正4年式戸籍へ移行するまで使用されました。
 記載例として、
○本籍地
○族称と職業
○移動した人物、および身分事項
となります。
*ここで紹介する戸籍簿関係はすべて個人蔵のものを使用しています。
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